山口県最低生計費試算調査結果について      
                            2019年5月27日
若者が人並みの暮らしをするためには少なくとも時給1600円程度が必要
   
      山口県をはさんでいる2県の最低賃金は広島県=844円、福岡県=814円となっており、山口県の802円よりも高くなっています。(注)
 それでは、山口県では生活費が安いのかというと、決してそのような実感はありません。山口県労働組合総連合(山口県労連)では、初めて山口県で労働者があたりまえの暮らしを送るために必要な費用を科学的データにもとづいて明らかにしました。
 
◇調査方法
 具体的には、主に県労連に加盟する各単産の労働者を対象に、生活のパターンを調べる「生活実態調査」および持ち物をどれくらい所有しているのかを調べる「持ち物財調査」を実施し、その結果を精査し生活に必要な費用をひとつひとつ丁寧に積み上げいく「マーケット・バスケット方式」によって最低生計費を算定しました。この調査には、2029名が回答をし(回収率約20%)、そのうち10代~30代の実際に一人暮らしをしている167人分のデータを分析した結果です。

◇結果
 山口市内で若者が人並みの暮らしをするためには、男性=月額241,740円、女性=月額242,762円(ともに税・社会保険料込み)が必要であり、これは年額に換算すると約290万円となります。ちなみに、昨年福岡市でも同様の調査結果が公表されましたが、男性=月額227,536円、女性=月額236,621円でした(ともに税・社会保険料込み)

 試算の月額を、賃金収入で得るとすると、時給換算で男性=1,391円、女性=1,398円(中央最低賃金審議会で用いる労働時間=月173.8時間で除した)。
 さらに、一般の労働者の所定内労働時間に近い150時間で時給換算すると、男性で1,612円、女性で1,618円となります


(注)調査結果を公表した2019年5月時点での広島県・福岡県・山口県最低賃金額。
   
 
     ※ 資料1(調査結果について)PDF   
 ※ 資料2(調査結果報告書)   PDF